国家安全法の成立 香港

国家安全法が成立した。

 

”窮鼠猫を噛む”、という言葉があるが今回の中国のやり方は

”窮鼠に猫を噛ませる”やり方である。


30数年前の”天安門事件”に於いては、世界的に発生してきた民主化の流れで中国国内での民主化運動が爆発したが、中国共産党はある程度泳がせたうえで、一晩で徹底的に弾圧をし痕跡を消し去った。何も無かったことにしたのである。


しかし、その後出てきたさまざまな中国人の証言の中で、“天安門事件”として真相が晒されることになってしまった。


その経験の反省を踏まえて、今回は雨傘革命から始まり昨年の逃亡犯条例騒動を経て、”少しずつ猫に噛ませる形”を作りあげつつ、最後に決定的な法案を全人代の直前に突如持ち出し、一気に法案を成立させる手順を選んだ。


うまく時間をかけ騒乱を香港の中に導き出していったのである。

昨年の騒乱・デモにおいて、香港の民主派による活動に紛れて、中国側の組織による過激な破壊活動が行われていたのは周知の事実であった。工作である。

その鎮圧の流れの中で"窮鼠"を作り出していったのである。

 

今はまだ具体的な法案の施行内容が明らかにはなってはいないが、民主派の活動家は一斉に逮捕されていくであろう。


台湾はそれに備え香港人を移民として受け入れてあげる準備をし、イギリスは英国海外市民旅券を保有する香港人に対し、英市民権を獲得する道を開いていく予定である。

 

アメリカは中国共産党に対し、人的・経済的な圧力を効果的に来り出していく。

 

以前にもこのブログに記したが、日本は何も行動を起こしてはいない。

”憂慮”しているだけである。

”遺憾”の表明も、”非難”表明もない。


沖縄県の知事も、尖閣列島に対する領海侵犯・漁船の追跡が頻繁に行われている現状にもかかわらず、何の表明もない。