あっち向いて、ホイッ!
昨日の昼過ぎからネットで行われた、「島々シンポジウム4」は大変に興味深く面白く、また示唆に富む内容であった。
伊波洋一氏、小西誠氏、山城博治氏、新垣邦雄氏、高良沙哉さん、伊佐育子さん等の出席である。
名前を見ただけで、素晴らしい出席者たちである。
これらの方々がそれぞれの立場から、琉球弧の現状報告をし、経済・軍事・政治の問題点を議論した。
残念と言うか、勿体ないと言うか。
昨日のライブ配信の参加者はそれほどの人数ではなかった。
今後、YouTubeで配信されるであろうから、是非見て欲しい。
いくつも注目すべき論点はあったが、ここでは2つ紹介をしたい。
山城博治氏はこう発言をしていた。
「琉球弧における現状の自衛隊配備状況を考えると、辺野古・高江はカムフラージュであったのか?と考えてしまうことがある。各離島への自衛隊の無血上陸を見過ごしてしまったのではないだろうか?」
勿論、この25年以上に亘る辺野古新基地反対運動は、オスプレイ配備反対、建白書、オール沖縄、高江での激しい闘いの流れの中で続けられ拡がってきた。
しかし、この間に与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島と自衛隊のミサイル基地がしっかりと造られてしまっていた。
知らないうちにとは言わないが、想像以上の早さで自衛隊の配備は進んでいた。
辺野古・高江に全力を注いでいる合間をぬって、ミサイル配備は行われていた。
カムフラージュとして、必要以上に辺野古・高江に目を
"向けさせられていた"
のではないか?
私も悔しいが、
"あっち向いて、ホイッ!"
に引っ掛けられていたのではないかと思える経験がある。
宮古島でのアリランの碑(宮古島における朝鮮人慰安婦の碑)の式典に、三年続けて出席したことがある。
ちょうど陸上自衛隊配備の場所(ゴルフ場跡地)が決まった頃から、工事が始まり反対運動が動き始めた頃である。
とにかく、参加者が少なかった。
勿論宮古島へ行くには多少のお金が掛かる。
そうではあるが、沖縄島からは組織的に宮古島への反対運動に動き始める様子は、無かった。
もう一つは、高良沙哉さんの発言である。
最近は、災害救援活動の影響もあり、自衛隊に意見をする雰囲気が薄れてきている。
琉球弧においては、自衛隊のミサイル基地が次々に造られ、米軍との共同訓練も当たり前に行われている状況に変わってしまっている。
オール沖縄も自衛隊に対する発信はない。
出来れば、オール沖縄からの自衛隊に対するメッセージが欲しい。
自衛隊に発信出来る環境が欲しい、
と述べていた。
実際にこのシンポジウムを最初から見ていただくと分かるが、自衛隊と米軍が沖縄・琉球弧において、どこに向かおうとしているのかが分かる。
当然の如く、危機感を持つ。
今はコロナ禍のなかで、人を集めての集会開催は難しい。
Zoomによる、シンポジウムも行われているが、ネット環境が充分とは言えない人々も多い。
今回は取り敢えず、素晴らしいシンポジウムを見たので、お伝えをした。