平和の礎 刻名

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       (沖縄タイムス記事)

金萬斗さんの名前を知る人は殆どいない。

彼は先の大戦において、朝鮮半島から徴用され貨物船の船員として働かされていた。

その貨物船『彦山丸』は沖縄県本部町に停泊していた際に、米軍の空襲を受け沈没・座礁した。

本部町健堅(けんけん)に流れ着いた遺体の中に金萬斗さんの遺体も含まれていた。

当時の地元の方々により仮火葬されたその遺骨は、他の同じく彦山丸の乗組員であった、日本人・朝鮮人とともに、海岸沿いの小高い場所に仮埋葬された。

長い年月をへて、金萬斗氏の名前が平和の礎に刻名されることとなった。
戦争がいつ終わったのかは、人により違う。
特にここ沖縄においてはより複雑である。

今回の金萬斗氏の刻名により、戦争がまた一つ終わったのかも知れない。
ただ、また一つ終わっただけなのかも知れない。