医は仁術

昨日、沖縄県は国の緊急事態宣言を受け遅ればせながら県の「実施方針」を発表した。

今月8日に発表した「来県自粛要請」からは2週間となる。

 

休業要請に対する補償への必要額の算出、その財源の算出確認に時間を要したとのことであるが、やはり交付税の補償への転用可能が大きい。沖縄に限らず各県の自主財源は乏しい。特に沖縄県のように第三次産業に偏った産業構造の中では、今後の税収目途はかなり落ち込む。

 

その中で、沖縄県でもコロナウイルス対策のフェーズは変わってきた。5地区にPCR検査拠点を置いて、検査件数の拡大に向かう。

「新宿モデル」を念頭に置いた方式になるかと思うが、感染が疑われる人への対応が従来の保健所対応から医療機関の対応になることが重要である。


まず、かかりつけの診療所に行きそこの判断でPCR検査センターへ紹介されそこにおいてPCR検査を受けられる。その結果をもとに各症状ランクに応じた病院へと振り分けられる。自宅療養になる方もいる。その他行政の用意した宿泊施設に宿泊し、経過観察を行う方も出てくる。


このシステムの中で重症者用の病床確保を確実に行い、死亡者の更なる発生を抑え込んでいく。


これによりPCR検査による感染者数の発見は確実に伸びていくが、大事な点は感染者数の分母の拡大により、その数の中での軽症者の率・重症患者の率・死亡者の率を科学的に把握することが出来るようになるのである。

このデータをもとに、コロナインフルに対して今後医療行政が、正確な判断を行なって行く事が出来る。


これまでの、感染の塊を見つけそれをつぶしていく対応から、感染の広がりとともに免疫が広まったと思われる中での、コロナインフルの実態調査に入っていく。

このあと、この対策を追うようにして抗体検査を広げていく方向であるかと思う。

コロナウイルスが今後低い発生状況で持続するのか、一旦沙汰止みとなり今年末にまた流行するのか。予断はできない。

一方その間に各国のワクチン開発がすすめられていく。

 

それにしても、医療関係者の献身はすごいものがある。日本に限らず、世界各国において”殉職”ともいえる医療関係者の犠牲がある。医者と看護師等、誠に頭が下がる。


『仁』をとなえた孔子は、

”仁”とは何かと弟子に聞かれた。

孔子は、

”夫れ恕か”と答えている。

”恕”とは簡単に言うと思いやりである。相手の立場に立つということである。


医者が患者の立場に立ち、生死を共にする姿には感謝しかない。

”医者は仁者”である。