ガソリン価格について

先日のWTI 5月限のマイナス価格には世界中が驚いたのであるが、実際に日本のガソリン価格がどのくらいになるのかの概算を示したい。

 

日本の場合は、WTI価格ではなくドバイ原油価格が指標となる。WTIとは違い日々チャートでは出てこないのであるが、WTI・北海ブレントと連動して価格が決定されている。

ガソリン価格自体が、日本各地により差異がある。原油を精製する製油所(リファイナリー)からの運搬費とその地域の消費する量によって、価格は決められる。沖縄県などは離島の集まりで輸送経費などが掛かるために、特別に実質7円/Lほど優遇されている。(因みに沖縄県全体では約40億円/年恩恵を受けている)

 

従って、原油価格の差異を示すことによって、概算の下落価格を表す。

約1か月前までの平均は、WTIは55ドル/バーレルであった。為替は約109円。

直近では、14ドル/バーレル、為替は約107円である。

 

55ドル X 109円 X 6.29 = 37,709円/KL

14ドル X 107円 X 6.29 =  9,422円/KL

 (6.29という数字を掛け合わせているのは、バーレルをKLに換算している)

  *1バーレル=159L

この差額は、28,287円/KL となる。

これは、 28円/L のガソリン価格値下げ要素となる。

 

従って、沖縄において今まで130円/Lくらいで買っていたガソリンスタンドであれば、

102円/Lに下がってきてもおかしくはないのである。WTI価格が20ドル平均になった場合でも、106円/Lくらいでおかしくはない。

ただ今まで安売りをして123円とかで売っていたスタンドは28円下げるのはきついかと思う。

 

石油元売りは、高値在庫を抱えており決算的には苦しい数字を出さざるを得ない。

 

いずれにしても、サウジアラビア・ロシア・アメリカの力相撲が続く。

ロシアは今までに積み上げてきた基金があるので、3年は持つと言っているが大変なのは事実である。ロシアの国家予算は2020年、42.4ドルで組んでいる。

プーチン大統領は2005年の大統領年次教書において「ソ連邦崩壊は20世紀最大の地政学的惨事である」と言っていた。10ドル/バーレルに下がった30年前のことである。

プーチンが同じ轍を踏むことは無いであろうが、”何をするか”には注目をしておかなければならない。財政的にはコロナウイルス対策費も膨大になる。


因みに、ガソリン税53.8円、2.54円が販売価格に含まれていく。

半分は税金であり、その税金にも消費税が10%課される二重課税なのである。