香港の閉塞

香港の裁判所は、今日周庭氏に対して有罪を言い渡した。

 

彼女は昨年6月に集会を扇動したなどとして、公安条例違反に問われていた。

 

今日の有罪判決にたいし、量刑は12月に言い渡されることになった。

アメリカ大統領選挙後に判決日を持ってくるあたりが、中国共産党らしいスケジュール管理である。


彼女は今日の会見の中で、香港の自由と民主主義について述べている。全くぶれの無い発言である。また、自身の事ではなく仲間である他の若者たちに気を配る健気さも、持ち合わせている。

 

量刑がどうなるのか、中国本土に引き渡されてしまうのか、今後の彼女の運命は中国共産党に握られている。彼らの恣意のままにされる。

しかし、まだ23歳の若い女性である。

気丈にふるまっているとはいえ、顔色は緊張に包まれ、心なしか強張っているように見えた。

当たり前である。

下手をすれば、死刑か中国本土での行方不明扱いになる。

 

香港の問題は国際的な人権の問題であり、今後米国あるいは英国との政治取引の材料に使われ、救われるかもしれない。

 

7月31日には、著名な民主活動家の黄之鋒氏ら民主派候補12人の、香港立法会選挙への立候補資格が取り消されている。

8月1日には、海外の民主活動家6人を国家安全法に対する違反として、指名手配とした。中にはやはり著名な民主活動家である、ネイサン・ロー氏も含まれていた。

立法会選挙自体も1年延期となってしまった。

 

今のところ、香港民主活動家の出口は閉ざされてしまっている。

 

この八方塞がりの中、唯一の救いは国際世論である。


自由・人権・民主主義の立場から、中国共産党という全体主義に対峙する事態が起きている。

何ともやるせない気持ちである。