香港立法会議員選挙

ここ一週間の日本の報道内容の主体は、GO TO トラベルがほとんどであった。

国交大臣のふらふら方針で、結局東京都を除外。これでは何のためにこの政策を行うのか分からない。二階幹事長はよっぽど反省をしなくてはならないのだが、自覚がないので反省のしようもないであろう。

拙速である。

一方、国際政治は5Gと香港問題である。

香港立法会議員選挙は、定数が70人である。そのうち直接選挙枠は35議席だけである。残りの35議席は、”職能別選挙枠として、一般選挙ではない。

過去の選挙結果を見て見る。

<2016年立法会議員選挙結果>

        親中派  民主派

直接選挙枠   16    19

職能別選挙枠  24    16

  合計    40    30

 

*次に区議会議員選挙結果を見て見る

 <2015年区議会議員選挙結果> 431議席

        親中派  民主派  その他

        292  120   19 

*問題は、2019年の結果である

 <2019年区議会議員選挙結果>

        親中派  民主派  その他

         59  385    8

 

民主派の圧勝である。

昨年は香港において、”逃亡犯条例改正案”の問題で香港国内がデモで揺れていた。

しかし、中国共産党はこの動きを甘く見て、デモ活動は単なる一部の活動家によるものとみなした。本来の中国共産党の判断力であれば慎重に情勢を見極め、区議会議員選挙を延期する方策もとれたのである。

しかし、政治状況を見誤ったのである。

完璧な民主派の勝利であった。8割の香港市民が民主派を支持したのである。

結局、羹に懲りてなますを吹く政策として、香港国家安全維持法を持ち出してしまった。

今年9月6日に予定されている立法会議員選挙に、このままでは全く勝てないというシミュレーションが出たのであろう。

 

今の習近平の政策を見ていると、下手なゴルファーの典型を見ているようである。

ドライバーを目いっぱい打って、右に大スライス。林の中から無理にロングアイアンを使ってグリーンめがけて打つ。当然木に当たり林から出せない。今ボールは木の根っこにめり込んでいる。

習近平は、木に文句をつけている。林の中に打ち込んだことは忘れて、木を蹴飛ばしている。

これほど面白いゴルフ中継は、なかなか無い。

 

今は慌てて、パトロンの数を集めている。

香港国家安全維持法への支持国の取り付け騒ぎである。

支持国は67か国をかき集めた。

不支持国は29か国である。

断然支持国が多い。


しかし、これらの国のGDP換算で見ると、様相は一変する。

支持国の合計GDPは77兆ドル。不支持国の合計GDPは442兆ドルである。6倍近くの規模の差がある。

香港の金融経済を考えた場合、この差は大きい。はっきり言って今後ほかの国の大部分を味方に付けても追いつかない。

 

ゴルフ中継はまだまだ続く。