王毅外相の目的

王毅外務大臣が日本に来て、様々な発言をしていった。

親中・反中いろいろな立場の人が日本にいる。

私は中国の歴史・中国人の文化を尊敬している。

論語教育講師の資格も持っているほどの、中国文化好きである。

 

しかし、近年中国人と中国共産党を分けて考えなければならない事態が、多すぎる。

チベットウイグルへの侵略はもとより、最近はブータンへも手を伸ばしつつあるやに聞く。南シナ海における島嶼サンゴ礁における軍事基地建設は、オバマ政権時代に築き上げた要塞である。

 

そこで、今回の訪日である。

多分キモは、尖閣諸島への言及が目的であったような気がする。


日本側の尖閣諸島に対する中国側の領海侵犯に対する懸念に対して、王毅外相はこのように言い切っている。


”ここで一つの事実を紹介したい。一部の真相がわかっていない漁船(偽装漁船)が絶え間なく釣魚島の周辺水域に入っている事態が発生している。

中国側としてはやむを得ず非常的な対応をしなければならない。

我々の立場は明確で、引き続き自国の主権を守っていく。

敏感な水域における事態を複雑化させる行動を避けるべきだ。”

以上である。


25日の菅総理との官邸での対談後も、記者団の前で次のように述べた。

”日本漁船の尖閣進入を禁止すべきだ。”


王毅外相の来日時、彼の顔は緊張に包まれていた。顔色も赤く紅潮し汗で光っていた。

しかし、茂木外相・菅首相との会談を重ねるにつれ彼の顔は穏やかになり、目つきがしっかりとしてきた。会談内容に満足したのであろう。

そして、会談の際の彼は会場を睥睨するかのように見まわし、ニヤニヤするだけの茂木外相を無視して発言を続けた。

会談内容に満足をして、記者会見の様子にも満足をしている。

 

香港では、香港裁判所が周庭氏・黄之鋒氏・林朗彦氏ら3人の公判で、保釈の継続を認めず11月23日即日収監とした。

量刑は12月3日に言い渡されると言われている。

 

香港議会での民主派議員の総辞職などの動きによって、香港の民主主義は本当に消えてなくなったのであるが、そのような背景の中での王毅外相による、”日本国内での”尖閣領有権の主張”であった。


中国人は、策略に富み深謀遠慮がある。

国会ではこの発言に対しての議論はなされない。

日経新聞においても、ただの外交記事として簡単に触れられた数行の記事だけである。

 

今回の事態は、禍根を残す。