後ろ姿。男 山城博治。
(今月26日の沖縄タイムス)
26日の朝、沖縄タイムスをいつも通り一面から読んでいた。
多少ダラダラと社会面まで読み進み、テレビ欄のある裏面へ新聞を捲りそうになった時、この記事が目に飛び込んできた。
"山城博治議長 退任へ"
なんじゃこりゃ?
慌てて本文を読んだ。
自治労どうの、9月の総会でどうの、
と書いてある。
とっさに思ったのは、
"こんな時に"
である。
今、反基地活動はコロナ禍の中で、頓挫をしている。
人によっては、頓挫などと言う言葉を使うな、と思われる方も居ると思う。
しかし、私はコロナ禍により市民運動が挫かれてしまっていると考える。
工事は一方的に進む。
珊瑚も防衛局腹黒ヤマト引っ越しセンターによって、強制移住させられている。
"こんな時に"
である。
考え方を変えることは出来る。
山城博治氏は公職を離れることにより、より"自由"に市民として活躍の場が与えられるであろう、と考える。
しかし、である。
このままでは、寂しいのである。
私にとっての山城博治氏は、
高江での闘いに於いてあらゆる可能性を探り、知恵を絞りきったリーダーシップとしての姿、そしてその卓越した演説であった。
その後における病との闘いと、司法当局との闘いの中でも、彼の折れる姿は見てはいない。
一度辺野古でお話をさせていただいた時に、
彼は
"奄美大島の自衛隊配備に対して、目配せが足りなかったかも知れない"
と言っていた。
本当に悔しい目をしていた。
沖縄の基地問題が琉球弧に拡大された現在、今まで以上に現場ではリーダーシップの存在が必要とされている。
山城博治氏以外に誰か居るのであれば、教えてほしい。
新聞発表の後、山城博治氏の退任事案はSNS上で余り問題視をされていないような気がする。
私は、少なくとも70歳までは頑張ってくれるであろうと、無意識に思い込んでいた。
まだ私は、
"男 山城博治"
の後ろ姿を見たくはない。
一般市民としての活動家山城博治も
まだ、見たくはない。