東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会
昨日、琉球大学で研究会の第20回公開シンポジウムが行われた。
4時間30分にわたる長い研究会であったが、内容がバラエティに富み飽きることはなかった。
その中で、乗松聡子氏の韓国・北京・北朝鮮に行った話は参考になった。
北朝鮮からの小さなお土産も、没収されてしまったようである。日本政府の北朝鮮に対する輸出入禁止措置に基づいたものであろうが、なんだかなあ、という感じはする。
ちなみに同行した在日コリアンの方は10個までの持ち込みがOKだったそうである。身内同士までのお土産に経済産業省は手を抜かない精勤ぶりである。
もう一つ、九州大学大学院博士課程の村岡敬明氏の報告も参考になった。
2013年に沖縄県教職員組合から屋良朝苗氏の出身地である読谷村に寄贈された紙媒体・書籍・フィルム資料は膨大な量(全7万点)であったが、村岡氏はネガフィルム698本を完全デジタル化をして公開している。
この費用を賄うために朝日新聞と協力をして、クラウドファンディングを活用することによりこの事業を遂行した。
未公開の写真がかなり有り、沖縄の戦後史の見直しにつながるかもしれない。
村岡氏が言うには、沖縄の公的機関は様々な戦後資料を所蔵管理しているが、その整理と公開が遅れているとことである。これらを整理し事実を掘り起こすことによって、より史実に基づいた議論が沖縄内で行われるきっかけとなるかと思う。
ちなみにこれらのデジタル写真1万3200枚は、読谷村の
http://photo.yomitan-sengoshi.jp/ で見ることが出来る。
これを見た方のいろいろな情報・昔話も、沖縄研究に役立つと思う。
村岡氏は、まだ30歳過ぎの若い研究者(学生)である。論文にも追われている中での報告であった。今後の村岡氏に、まだ残っている膨大な量の資料の解析をしていただきたいと思う。彼は今、明治大学・法政大学・沖縄国際大学で研究をされている。