PFAS 水道水の問題

先週の金曜日の話になるが、PFAS(有機フッ素化合物)による汚染水から命を守る県民集会が行われるはずであった。

しかし、時節柄新型コロナウイルスの問題があり、宜野湾市にある”てだこホール”において1000人規模の県民集会の開催が中止となったのである。

今後時期を見て再開はされると思うが、当日は県庁への署名を集める最終段階であり、会場使用中止は署名をしていただく大切な機会を失った点においても、残念であった。より多くの署名を市民の声として集め、”一人も取り残さない”という玉城デニー知事に対して、北谷浄水場の問題を重点項目として取り扱っていただきたかったと思う。

この県民大集会は中止となったが、同じ日の同じ時間に替わりの学習会として、宜野湾市の”ハーモニーホール”に於いて”PFAS汚染から市民の生命を守る連絡会”主催により、70人ほどを集めて学習会を行った。本来は20回ほど各地域で行われてきたこの学習会の集大成が、1000人大集会である予定であった。

70人ほどの人数ではあったが、充実した学習会であった。

残念ながら伊波義安氏、講師のジョンミッチェル両氏は体調不良のため出席されなかったが、もう一人の講師であった沖縄大学名誉教授である桜井国俊氏が話をされた。

資料も説明も非常によくわかる充実したものであっただけに、より大集会の中止が残念に思われてしまった。

PFAS問題のわかりにくい点は、私も素人であるからそうなのであるが、フッ素化合物の化学式が出てくる。単純に炭素Cが8つありそれとフッ素が結びついている、という基本だけ抑えれば話の入り口としてなんてことは無いのであるが、大部分の人は化学に疎いし高校生の時代から半世紀以上の方々が多い。

しかし、PFAS・PFOS・PFOAなどの記号も講演を聞いていると、順次頭に入ってくる。

次にわかりづらいのは、単位である。PPT、ng/Lなどの単位が出てくるが説明を訊けばなんということもないのである。しかしこれが分からないと、政府の持ち出す基準値がどの程度のレベルなのかを理解できない。北谷浄水場のPFASの数値と、西原浄水場の数値がどれだけかけ離れているかが分からない。

また、北谷浄水場の飲み水が那覇市に届けられているが、これも那覇市全体ではなく半数弱が北谷浄水場からであり、半数以上が西原浄水場からの飲み水なのである。

私の住んでいる地区が北谷上水道からの飲み水であると知ったのは、以前学習会に参加してからである。

那覇市上下水道局発行の”なはの水”という冊子がいつも届くが、この中には何も書かれてはいない。那覇市を多少弁護すれば、PFASは水道水質基準の項目に入っていないので記載されないのである。

普天間飛行場から出た汚染物質は、地下水から比謝川を経由して北谷浄水場に取水される。活性炭によって除去はされるのであるがまだまだその数値は高い。分子としてすり抜けていってしまうのである。

もう一つの問題は、今言った普天間飛行場での(嘉手納基地もそうであるが)日米地位協定によって基地内の検査・調査が行えないことである。

今後も各地域で学習会が行われると思う。

自分の地域は大丈夫なのか、自分の地域は以外でこんなに多くの地域が汚染水を50年もの間飲まされてきたのか。

いろいろと知ることが多いと思う。

PFASは体に蓄積をしていく。血中濃度の中に現れる。

子供・胎児への影響を考えると恐ろしいものがある。

 

関心を持っていただければと思う。