無理筋の憲法改正
昨日は憲法記念日であった。
沖縄の二紙は当然憲法改正反対の論陣である。
私の考えはこうである。
自民党の党是は憲法改正である。立党時の社会情勢の中で、もがいていた時期であった。
今のことを考えたい。
3年前、「憲法フォーラム」でのビデオメッセージにおいて安倍首相はこう言っていた。
”2020年を新しい憲法が施行される年にしたい”
昨年の改憲派の集会においても、
”2020年を新憲法施行の年にしたい気持ちに変わりはない。”と述べている。
今、2020年である。
結局できないのである。
気持ちはあったようだが動けないのである。
コロナウイルスは関係ない。憲法改正はスケジュールにも入っていなかったのである。
わたしの見方の要件はこうである。2つある。
まず、安倍首相が靖国参拝を行うかどうか?
靖国参拝に関しては近隣諸国への配慮(特に中国)が、彼にとって壁となる。自民党は単独過半数を取ってはいるが、一枚岩ではない。親中派の議員は大勢いる。頼みとする公明党も基本的に親中派である。
従って、安倍首相がいくら靖国神社に参拝しようと思っても、動きが取れないのである。彼の属する”日本会議”の面々はすでに怒り心頭を通り越して、諦めの境地である。改憲の最終兵器とみなしていた安倍首相が、靖国神社の参拝すらできない現状に彼らはなすすべもない。
更に自らに味方のいない安倍首相は、憲法審査会を満足に開くこともできない。
橋を渡る以前に橋をかけることが出来ないのである。
いずれにせよ、安倍首相が靖国神社への参拝をするかで改憲の本気度の度合いが分かる。
もう一点は、国会議員のサラリーマン化である。夫々が、組合であろうが業界であろうが組織の上に乗りかかって、国会議員になっている。フリーランスはごくわずかである。
彼らは、票にならないことはしない。
これに尽きる。
憲法改正論者は、防衛費を今の約5兆円を倍の10兆円に最低でも増やす政策である。確かに、彼らの目指す自衛隊の増強には現状全く財政的に足らないのである。
5兆円の更なる防衛費の上積みに、国民の了解がとれるだろうか?
”否”である。
憲法記念日と言って騒ぐ必要はないのである。
充分に国民として祝うべきである。