軍港の先行返還
(PARCO内から見た浦添西海岸)
昨日、玉城デニー知事が加藤勝信官房長官との面談で、米軍那覇港湾施設の浦添市移転について軍港の先行返還に初めて言及をした。
遊休土地化している現在の那覇軍港を考えれば、至極当然の提案である。
しかし、唐突感がぬぐえない。
加藤官房長官は就任後、初めての来沖である。
タイミングとしてどうだったのか。
政策遂行には須らく根回しが必要である。交渉相手が気心の知れた者同士であれば問題はないが、気心を異にする交渉相手である。
言っていることに理はあるのだが、玉城デニー知事の交渉戦略の全体像が分からない。
今は軍港移設を容認しているが、今後も容認し続けるのか?
また、遊休地であるから地位協定上も無条件返還を求めることはできる。しかし、可能性と返還すべき論は違う。水面下での政府・米軍との交渉は行っていたのか、行うのか?
軍港の先行返還に関しては、米軍にすれば移設のマイルストーンの明確化を当然に求めてくる。マイルストーンを明確化することは、無条件返還要求に明らかに矛盾する行為である。これをどう説明するのか、説得するのか?
沖縄県として、沖縄振興政策を無視することはできない。
2022年度からの10年を見据えた政策を県政として確立をしたうえで、政府と対峙をしなければならない。個別案件への対応がバラバラでは困るのである。
まず、芯を作りそこからすべての政策を演繹していく。
菅総理大臣は、ただの令和親父ではない。
岸・加藤・河野・茂木各大臣の配置は、よく見るとオフェンス重視の政権である。
裏に回り込んででも、先手を打ってくる政権である。
残されている時間は、あまりない。