埋め立て土砂と遺骨

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(那覇空港自衛隊機)


具志堅隆松氏が、ハンガーストライキに入るという知らせを聞いた。

 

ガマフヤー代表の具志堅氏とは、沖縄戦でなくなった方の遺骨DNA鑑定を進める活動の中で、幾度かご一緒させていただいている。


人となりは皆さんもご存じのように、誠実な方である。


私も一度だけ、具志堅さんの遺骨収集のフィールドワークに参加をしたことがある。

糸満里山にあるガマに行ったのであるが、村道で車を降りそこから林の中に分け入っていく。


這入って十分ぐらいのところにガマがあった。

しかし、一緒にただ分け入ったために、どこをどう歩いたのかは分からなくなっていた。一人ではもちろん帰れない場所である。


小さな谷間にガマがあった。

入り口は小さく、中から具志堅さんが明かりをともしてくれて遺骨の状態を見ることが出来た。

あいにく雨が降ってきて、足場は濡れて滑りやすい。

 

正直に言えば、疲れた。

精神的に疲れたのである。

こんなところで亡くなったのか。

結果として、

"想像力は事実に追いつかないこと"

を思い知ることになった。

 

38年間、沖縄戦による戦没者の遺骨収集を続けてきた具志堅氏は、

"土砂採取により遺骨が冒涜されること"

をなによりも拒む。

 

私は具志堅氏の言った言葉が今も忘れられない。

”遺骨は二度死ぬ”

沖縄戦で死に、土砂として持ち去られ魂までが殺される。

 

具志堅氏は、優しい。

防衛省に行って、

自衛隊の皆さん、あなた方の先輩でもある日本の兵隊の皆さんの遺骨も混ざっている。その方たちの遺骨も土砂として辺野古に埋め立てられるのですよ、いいんですか?”

この複雑な優しさを国は分かるのだろうか?

日本兵さえも公平な目で、遺族として、遺骨として見ているのである。

 

県の緩慢な遺骨に対する動きに、具志堅氏は我慢ならなくなったのであろう。