閑話休題 その2

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東京都平和の日
3月10日の事を指す。

今、所用があって東京に来ているが、昨日吉祥寺にある井の頭公園で遊んでいたところ、2時の直前に"黙祷"の呼び掛けがあった。

一分間の黙祷。

私は東京都出身であるのだが、この平和の日を知らなかった。

3月10日と言えば、東京大空襲の日である。
私の両親は当時浦安に住んでいた。
東京の下町は真っ赤に燃え上がっていたそうである。
一夜の内に10万人が殺されている。
焼き殺しである。

発火性の強い特製焼夷弾であった。
その焼夷弾の落とし方にも工夫がされていた。広い範囲の外側から囲うように落とし燃やしていったのである。
強風下の中で紙と木で出来た家屋は、焚き火のように燃え上がっていく。
広い範囲に囲われた中にいた住民は、真夜中に逃げ惑った。

逃げ道はない。
焼かれるだけであった。

隅田川を中心とする河川には、熱さを逃れた人々の死体の山となる。
川に逃げた人々は、水死、圧死、焼け死にとなった。
10万人の遺骨は殆んどが、なくなった。

その後、私の母親は葛西橋(東京と浦安を結ぶ長い橋)で昼間、グラマンの機銃掃射にあっている。操縦士の顔が見えていたと言っていた。笑っていたそうである。

母親は毎日新聞に勤めていた。
終戦日の二日前に終戦の予定を知り、毎日新聞社から家に帰る事を止められた。機密事項である。

そんなことなどを一分間の間に、瞬間的に思い出した。

井の頭公園には、梅と桜が一緒に咲いていた。

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